最近良く聞く「添加物」そもそもなぜ出来たの?いつからあるの?

梅干しにも添加物はあるのか

皆さんは「添加物」と聞いて、どのようなイメージを持たれますか?

スーパーマーケットやコンビニでは

「無添加」

と記載された商品も多く見かけるようになり「体に悪影響をもたらすもの、避けた方がいいもの」と、ネガティブなイメージをされるかたも多いのではないでしょうか。

もちろん、添加物が使用されていないナチュラルなもの、加工がされてないものを積極的に摂取するのはとても良いことです。

ですが、現代ではお店に並ぶほとんどの商品に食品添加物が使用されています。

お店では添加されていない商品を探す方が難しいですし、それに、添加物は良くない!と敬遠し、神経になってしまうとかえってストレスになってしまいそうです。

今回は、食品添加物の本来の役割を知るとともになぜ、添加物を使う必要があるのか?
その必要性についてもご紹介します。

1, そもそも食品添加物とは?

添加物を説明すると…

食品衛生法では、「食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するもの」と定義されています。
食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)

安全性と有効性を科学的に評価し、認められたものが法律で使用を許可されています。また、日本は世界的に見ても厳しい安全基準を定めているといわれます。

◎食品添加物の種類

食品添加物には、約400種類程ある天然添加物(既存添加物)も含まれおり、ウコン色素やカテキン、クチナシ、鉄なども天然添加物の一種です。

現在日本では、加工・保存したり、味付けをしたりする時に使用する調味料、保存料、着色料を一括して「食品添加物」と呼んでいます。

「厚生労働省」が定める食品添加物の指定および使用基準改正に関する基本的な考え方として、以下があげられています。

  1. 安全性が要請された使用方法において実証又は確認されること。
  2. 食品添加物の使用が、次のいずれかに該当することが実証又は確認されること。
    • 食品の栄養価を保持させるもの。
    • 特定の食事を必要とする消費者のための食品の製造に必要な原料又は成分を供給するもの
    • 食品の品質を保持し若しくは安定性を向上するもの又は味覚、視覚等の感覚刺激特性を改善するもの
    • 食品の製造、加工、調理、処理、包装、運搬又は貯蔵過程で補助的役割を果たすもの

保存料をはじめとする食品添加物は食品の腐敗や食中毒を防ぎ、レトルト食品や冷凍食品などの様々な加工食品を誕生させました。

それにより、私たちが産地や地域に関係なく、便利で豊かな食生活を送るのに大きな役割を担っているのです。

2, 添加物の本来の役割を知る。

豆腐の添加物の役割とは?

食品添加物は、私たちの食を豊かにしおいしさを演出するために重要な役割を担っています。

その役割として大きく分けて4つ、ご紹介します。

◎栄養価を高める

ビタミン類・アミノ酸類・ミネラル類など商品ラベルで目にすることも多く、飲料によく含まれています。これらも食品添加物の一つといえます。

◎食品の形をつくる・食感を持たせる

例えば私たち日本人になじみ深い豆腐。豆乳を固形物にするのに欠かせないのは「にがり」です。中華麺、こんにゃく、プリン、グミ…など様々な食材の形。食感を生みだすのに添加物は欠かせないものとなっています。

◎味や香り、風味を高める

甘味料や香料、酸味料…これらの調味料も商品ラベルでよく見かけるワードですね。香りや味を高め「おいしさ」を演出することにより私たちの欲求を満たしてくれます。

◎安全性・品質を保つ

保存料や酸化防止剤は、食中毒の危険性を防ぎ微生物やカビ、酸化を防ぐ役割があります。加工により長期保存も可能になり私たちが安心して食事をするのに重要な役割を担ってくれています。

3,先人の知恵から生まれたもの

食品加工と添加物の関係は?

食品の加工は紀元前3000年ごろには既に行われていたといわれます。

化学合成添加物が初めて生まれたのは1851年。

そこから、口紅などに使われる合成着色料「タール色素」、ケーキや焼き菓子、饅頭などに使われる「膨張剤」現在も私たちに身近な「ビタミン剤」などが化学合成されていきました。

◎過去の添加物による被害

食品衛生法が確立しなかった時代において、毒性の強い添加物が食品に使用されたこともあり食品添加物による急性中毒が続発しました。発がん性などの疑いから、多くの添加物の使用が禁止されました。

その後様々な研究が重ねられ学問の進歩と共に食品衛生法が成立し安全基準は厳重化されていきました。

今後も化学が進歩していくにつれ、基準が変化していくことがあるかもしれません。ですがそれも踏まえて私たちは一人一人が知識を身につけ選択をしていくことが大切です。

多くの犠牲を払いましたが今現在、こうして私たちが毎日安心・安全な食生活を送っていられるのは先人たちが多くの研究や実験を重ね、様々な工夫をし、地道に積み上げてきてくれたからこそではないでしょうか。

4,無添加=安全とは限らない

果たして安全なのか?

冒頭でもでてきた「無添加」という表示の商品。

添加物が使用されていないのなら、それに越したことはないと選ばれる方も多いかもしれません。

ですが、なぜ無添加なのか?

なぜ添加物を使用せず品質を保っていられるのか少し疑問に思ってみる必要があります。というのも、添加物を使用しない代わりにそれ以外の代替えする別の成分が使用されている場合があるということです。

「保存料不使用」「無添加」と記載はあっても賞味期限が非常に長いものは少なくありません。そういった商品はなぜ無添加で長期保存が可能なのか、疑ってみることも必要です。

無添加表示には行政で定められたルールはないですし、「無添加」と記載がある商品の方が安全だという科学的根拠もありません。ですから「無添加=安全」といった概念は一概にもよい考え方ではないということです。

5,正しい知識で食事を楽しむことが大切

私たちの食生活にとても身近な添加物ですがその一方で、
とりすぎると身体に害を及ぼすことも事実です。

日本では安全基準が定められており一日の安全に使える食品添加物の量を無毒性量の1/100としています。これは普通の食事をしていればひとまず心配のない量と言われています。

普通の食事とは、菓子パンやレトルト食品、コンビニ弁当など
食品添加物が多く使用されているものばかり口にするのではなく
自宅で調理したり、新鮮な野菜や魚なども適度に摂取していくことです!!

◎適量を知る

どんなに体に良いとされるものでも過剰摂取をしていては害を及ぼす可能性がありますよね。

例えば塩分や糖分も、摂りすぎると病気になってしまいます。

添加物も同じように適度な量をご自身でコントロールし、正しい知識を持てば余計な不安を感じる必要はないといえます。

神経質になると、かえってストレスになってしまうこともあるので適度に意識していくことが良いと思います

◎食品を選ぶときに意識してみる。

  • ラベルを見る
  • 新鮮な野菜、魚、肉を選ぶ
  • 旬のもの、採れたてをいただく
  • 素材そのものの味を楽しむ
  • ハムやベーコンなど加工肉はそのまま食べず一度湯通しする

など、小さなことでも意識してみるといいでしょう。

これらを毎日意識することは難しいかもしれませんがたまに食生活を見直してみることはとても効果的です。

6,まとめ

添加物をまとめると…

いかがだったでしょうか?

食品添加物は私たちの食生活に様々な恩恵をもたらしてくれるとともにやはり摂取量には気を付けていきたいところです。

必要以上に恐れる必要はないですし、消費者である私たち一人一人が、正しい知識を身につけて選択しいくことがとても大切なのです。

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